「テキスト」カテゴリー
今まで書いたショートショート・小説等、文章置き場です。
拙すぎてカテゴリ名を「小説」とするのすらおこがましい気がしたので「テキスト」。
基本的にどんでん返しを目標に書いてたり、書いてなかったり。
高校時代とかに書いたものも結構あるので正直黒歴史ですが、面倒なので開き直って手直しもいいわけもなしです。
いくつかはイベントで無料配布した「夢見るものたち」に収録しています。
投稿が「夢見るものたち」より前の分に関してはほぼ全部学生時代に書いたもの。
ツッコミどころが満載なのは自分でわかってますので、そこは流していただけるとありがたい。
最近のもツッコミどころが多いのは大して変わりませんが、まぁ、まだマシかと。
伏線を意識し始めたのはCANDY ×GAMEシリーズの途中あたり(2005年)から。
そのへんから書くものがガラッと変わった気がします。
Twitter300字SS お題「影」
ジャンル : オリジナル
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『面影』
展示会場の片隅に佇む少女。
それは長年かけた僕の夢だった。
生まれた時からずっと頭の中にいて僕と共に成長してきた彼女。
けれど彼女は、十六歳を境に成長を止めてしまった。
三倍の年を重ねて、様々な違和感から彼女は想像の産物ではなく、他生の記憶を元に構成された存在だと判断した。
成長しないのは知らないから?
ならば。
自分の持つすべての記憶を財産ごと注ぎ込んで彼女を投影した3Dホログラムの少女は、観客と自由に話をしながらゆっくりと成長する。
僕の知りたいその先の姿へ。
「おばあちゃんと同じ名前だ」
「懐かしい…こんな制服を着てたわね」
少女を見つめ老婦人が笑う。
そこに宿る過去世の娘の面影に、作者が気づくことはなかった。
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遅刻。
一応書けたけど、300字向きの内容じゃなかった感。
というか消化不良ですねぇぇええ。
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Twitter300字SS お題「届く」
ジャンル : オリジナル
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『想いよ、届け。』
たった一文したためた手紙を胸に彼の後を追う。
ずっと気になっていた。
朝の電車、座席に座る私の前に立って静かに本を読む彼。
私が見つめても気づかない。
──気づいて。
なんて思うけれど、何かの拍子で目が合っても、見つめ続けることも、声をかけることもできずに、私は俯いてしまう。
届かない、この想い。
友達に相談したら「初心だね」と笑われ「手紙でも書けば?」なんて。
でもどうやって渡せば?
悩みに悩んで練習した結果の今日。
想いをのせた紙飛行機は見事彼の頭に命中した。
翌日、彼の姿を見て私は歓喜した。
悟られないように、何度も見つめてしまう。
勇気を振り絞ったあの手紙。
確かに想いは届いたのだ。
『いつも社会の窓半開きですよ』
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遅刻ながら書けたけど、これでいいのか自分。
割と初っぱなからオチが読める気がするけど、これでいいのか自分。
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Twitter300字SS お題「隠す」
ジャンル : オリジナル
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『無能の利用法』
隠れ蓑を入手した。
被れば誰にも姿が見えなくなるらしい。当然写真や動画にも映らない。
しかし、使ってみたら問題がいくつか判明した。
自分の声は聞こえなくなるのに、藁が擦れて音がする。
そこら中が痒くなる。ダニか何かがいるのかもしれない。
こんな代物、どんな状況なら利用価値があるのだろう。
何より重大な欠点は。
「何?隠れたつもり?」
標的の席に佇む蓑に、いじめ首謀者が笑う。
そう、どうやら蓑自体は消えない。
手下に攻撃され床に倒れる。
「何か言えよ」
蓑の効果で呻き声すら周りには聞こえない。
価値のない蓑はひとつだけ役に立った。
いじめの存在を否定した担任は今向けられた嘲笑をどんな顔で聞いているだろう。
僕は廊下で笑った。
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もっといろいろ書けそうなお題だったのになんか暗いのになってしまった。
(の割に初っぱながギャグみたいな書き出し)
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Twitter300字SS お題「運」
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『不運な車両』
「なぜこんなことを?」
乗り合わせた刑事が言う。
運が悪かったんだ。
名古屋でのぞみに乗り込んで三十分、生きた心地がしなかった。
同じ車両に彼らがいたから。
会話を盗み聞いて新大阪まで行くと知ったが一駅で耐えられなくなった。
だから決行した。
減速する車体。
増える心拍数。
全力で走り、扉が開いた瞬間押し出したのは彼らの荷物。
追いかけた持ち主――蝶ネクタイの子供を含む家族連れは閉まるドアの向こうでぽかんとこちらを見ていた。
乗り合わせたのは家族の他に高校生の男女と髪の量に差のある刑事ふたり。
これなら無関係な人間は死なないだろう。
「ごめんなさい」
誰か死にそうな車内で生き残りを確信し、いたずらした子供は泣いてみせた。
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煉○さんが乗ってるより平和的解決かもしれない。
ちなみに京都-新大阪くらいなら新快速に乗り換えても大した時間ロスないからみんなそこそこ幸運だよ!
コ○ンは結構しょうもない理由で人が死ぬよねっていう感じのどうしようもない偏見?にとりつかれた結果。
一応他のふたつは金○一少年と古畑○三郎のセットです。わかりにくいね!
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Twitter300字SS お題「眠る」
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『眠り姫の待ち人』
美しい姫が眠るという城に辿り着いた。
複雑に絡まる茨は入り口を完全に塞いでいる。
呪いは百年で失われるという。
当家に受け継がれてきた書物によれば、姫が眠りについた瞬間からあと数秒で百年。
もしお伽噺のように道が開いたら、まずは姫を目覚めさせてそのあとは。
クッと喉が鳴る。
興味は尽きない。
茨がしゅるりと解ける。
「やっと面白そうなのが来たわ」
見下ろしながら、とうに眠りから覚めた姫はタブレットを置く。
階下でセンサーに反応したその顔からデータベースが弾き出した人物の肩書きは王子ではない。
キスで目覚めさせて嫁にするなんてつまらない奴はいらない。
「ようこそ、博士」
来てくれてありがとう。
私、研究価値はあると思うわ。
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ふたりともマッド寄りでした。
というか眠ってないじゃん。
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