Twitter300字SS「雪の日」「依り代」

2015/01/31 21:00 □ 短編・ショートショート

Twitter300字SS お題「雪」

ジャンル : オリジナル。

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雪の日

 

「ママ! 雪!」

はしゃぐ娘は傘を手にくるくると庭を駆ける。

「だーめ」

マスクを外し、空を見上げる我が子の口をふさぐと、指の間から不満げな声が漏れた。

食べさせられない。汚染された空から降り注ぐ灰色の雪。例え咳が出る程度のものでも。

なだめるように背中から抱きしめる。

「ママ、お空青いね」

つかの間の青空が顔を出している。雪はもうすぐ止むだろう。

 

この雪には浄化作用がある。この街の汚染物質を吸着して、ほんの少しの間だけ、空気を綺麗にしてくれる。

 

雪が止み、マスクを外す許可を出す。

「冷たくて気持ちいい!」

青空と、一回だけの深呼吸。雪の日には、この子の笑顔が満ちている。

 

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依り代

 

もう一度会いたい人がいる。

 

街で声をかけてきた親切なおばさんにぽつりとこぼしたら、詳しい人だったらしく依り代がどうのと話を聞かせてくれた。

眠くて頭に入らなかったが、人形が必要だとか、本人と似ているといいとか。

おばさんは一緒に会合に出ようと誘ってくれたが恥ずかしかったので断ってしまった。

 

うちに人形はない。

それならと、ひとり庭に出る。踏みしめるのは白い雪。

 

思いが強ければ、雪人形でも魂は宿るだろうか。

 

土の混じった茶色い雪で形作る。鼻は…人参ないし、みかんでいいや。

うん、似てる。なんて思ってたのに。

 

頭を抱える。きっと何かを間違えたんだ。

妙なものが宿ってしまった。

 

 

 

「ぼくの顔をお食べよ!」

「頼むから帰って」

 

 

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雪の日はなんか上手くいかなかったが、依り代は意外と気に入っている(。・ω・。) 馬鹿でなんじゃそらって感じだけどw

真面目っぽいのは難しいです。

 


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