ずっとあなたを待ってる。
雨の降る日も、かんかん照りの日も、木枯らしの吹く日も、雪が積もる日だって。
ずっとずっと私はあなたを待ってるの。
あなたの手が好きだった。
あなたの大きな背中が好きだった。
ぶっきらぼうなその話し方も、何もかもが好きだった。
でもあの時、一緒に暮らせたらいいのにと言った私を、あなたは殺した。
あれはほんの冗談のつもりだったのよ?
あなたの生活を壊す気なんて全然なかったの。
週に一度しか会えなかったけど、私は満足してた。
ただ、あなたがそばにいてくれるだけで幸せだったの。
誰も私とあなたとのことを知らなかったのね。
あなたの奥さんも、あなたの子供も。
あなたのもうひとりの子供がここにいるなんて。
ねぇ、父さん。
公園の大きな木の下でずっとあなたを待ってるの。
あなたが最後に触れた、この手を伸ばして。
もう冗談でも一緒に暮らしてなんて言わないわ。
だからお願い。もう一度だけ。
もう一度だけ、やさしくこの手に触れてほしいの。
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