Twitter300字SS お題「贈り物」
ジャンル : オリジナル。
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『下手くそな包装』
「どっちだっけ」
「違う違う」
「よく先輩に怒られたなぁ」
小さな部屋には三人の社員。
傍らに積まれた箱の中には小さめの瓶が三つずつ。
歳暮時期の真っ只中、パートさんたちにお願いすれば手早くきれいに仕上げてくれるのはわかっていた。
けど。
「できた」
「おっ、悪くないね」
「ハイハイ、次」
時折ため息を漏らしながら、不慣れな手つきで贈答品を仕上げていく。
『そうそう』
きっと今、ここにいる全員が幻聴を聞いている。
『パートさんばっかに任せてないであんたらもたまにはやんなさい』
記憶の中の彼女の声で。
「遺言だったらしいよ」
見上げた愛社精神に苦笑する。
キャラメル包装は左前。
粗供養の文字の下には先輩と同じ苗字が印刷されていた。
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うーーーーん、オチがない上に暗い……orz
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