Twitter300字SS「眠り姫の待ち人」

2020/12/05 21:54 □ 短編・ショートショート

Twitter300字SS お題「眠る」

ジャンル : オリジナル



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『眠り姫の待ち人』

 

 

 美しい姫が眠るという城に辿り着いた。
 複雑に絡まる茨は入り口を完全に塞いでいる。

 呪いは百年で失われるという。
 当家に受け継がれてきた書物によれば、姫が眠りについた瞬間からあと数秒で百年。

 もしお伽噺のように道が開いたら、まずは姫を目覚めさせてそのあとは。

 クッと喉が鳴る。
 興味は尽きない。


 茨がしゅるりと解ける。

 


「やっと面白そうなのが来たわ」

 見下ろしながら、とうに眠りから覚めた姫はタブレットを置く。
 階下でセンサーに反応したその顔からデータベースが弾き出した人物の肩書きは王子ではない。

 キスで目覚めさせて嫁にするなんてつまらない奴はいらない。


 「ようこそ、博士」


 来てくれてありがとう。
 私、研究価値はあると思うわ。

 

 

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ふたりともマッド寄りでした。

というか眠ってないじゃん。

 


“Twitter300字SS「眠り姫の待ち人」” への1件のコメント

  1. カネコ より:

    こんにちは。
    姫と博士の関係が面白くて、この後2人はどうなったんだろう? どちらかが勝つのかな、と想像が膨らみ、クワクしました♪

    特に、ラストで姫の、
    「来てくれてありがとう。
     私、研究価値はあると思うわ。」
    のところ好きです。

    読みはじめは、こういう展開になると予想してなかったので、どんでん返しみたいで楽しい! と思いました(*^v^)♪

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