「テキスト」カテゴリー
今まで書いたショートショート・小説等、文章置き場です。
拙すぎてカテゴリ名を「小説」とするのすらおこがましい気がしたので「テキスト」。
基本的にどんでん返しを目標に書いてたり、書いてなかったり。
高校時代とかに書いたものも結構あるので正直黒歴史ですが、面倒なので開き直って手直しもいいわけもなしです。
いくつかはイベントで無料配布した「夢見るものたち」に収録しています。
投稿が「夢見るものたち」より前の分に関してはほぼ全部学生時代に書いたもの。
ツッコミどころが満載なのは自分でわかってますので、そこは流していただけるとありがたい。
最近のもツッコミどころが多いのは大して変わりませんが、まぁ、まだマシかと。
伏線を意識し始めたのはCANDY ×GAMEシリーズの途中あたり(2005年)から。
そのへんから書くものがガラッと変わった気がします。
Twitter300字SS お題「訪れ」
ジャンル : 桂瀬、初の二次創作。
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『深夜の来訪者』
午前2時。
鳴らされたインターホンに目を覚ます。
昨日一昨日は酔っ払いのいたずらだろうと出なかったのだが、三日目ともなるとさすがに身を起こした。
訪れた客──モニターに映る赤いワンピースの女はうつろな目で言う。
「夜分遅くにすみません。この前公園で落とし物をされませんでしたか?」
あぁこの顔見た見た。一週間前、公園で。
「いいえ」
どうやらバレたようだ。
電話をかけている間に、無害そうだった彼女はドアを叩き始める。血に塗れた包丁を手に。
こういうのに絡まれるようになったのは彼と付き合い始めてからだ。
だとすれば彼は好かれているのか呪われているのか。
『すぐ行く』
その言葉通りに。
「破ぁ!」
寺生まれの彼の声が聞こえた。
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元ネタ : 寺生まれの先輩Tさん
めっちゃ好きなんですよねw
って、全然違う話考えてはずやのになんでこうなった?
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Twitter300字SS お題「声」
ジャンル : オリジナル。久々に2本。
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『音楽室にて』
「進路かぁ」
面談が終わった放課後の教室でため息をつく。
紙の上の大学名をなぞりながら、自分は本当にこれでよかったのかと。
そんな時、音楽室から聞こえ始めたその曲は、聞き覚えのあるものだった。
校歌だ。
合唱部の練習にしては声が聞こえない。
だとしたら、誰が?
鉄製の扉をそっと開く。
演奏者のリボンは赤。二年生だ。
懐かしいメロディに、記憶の片隅に残っていた歌詞が口をついた。
酷く驚いた顔をする彼女に微笑みかけて、柔らかな旋律にそっと声をのせる。
彼女が驚いた理由には歌い終わった時やっと気づいた。
「先生も一宮小学校だったんですね」
「覚えてるものね」
照れ笑いながら思う。
あの頃の自分には、今の自分はどう見えるだろうか。
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『あなたの声が』
『あーもしもし? 姉ちゃん? オレオレ、信吾』
休日に突然鳴り響いた電話。
「え、なに? どうしたの?」
詐欺であることはすぐにわかった。
『いや、ちょっと金貸してくれないかなって』
でもその声が、あまりに弟に似ていたから。
「いくら?何に使うの?」
言われるまま振り込んだ。何度も。
「返さなくていいから、また連絡しなさい」
死んだ弟も同じようなクズだったけど、あの声だけは好きだった。
お金はあるんだ。使い切れないくらいに。
だから有り余ったお金で、私はその声を買ったのだ。
探偵はもう少しで、彼にたどり着く。
あの声をまた直に聞けると思うと興奮した。
今度は間違えない。
手元に残した声帯だけではやはり満足できないとわかったから。
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オチなし(もうちょいひっくり返したかったけど失敗)とちょいグロで失礼しました。
スピンオフにしようかと思ったんですが、自作には「声」というか聴覚的なものがメインになってるものが多くて逆に選べなかったですな。
次のテキレボアンソロにもちょっとそれ系の下りがありますし(ステマ
弟についての真相はご想像にお任せします。
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Twitter300字SS お題「のむ」
ジャンル : オリジナル。大変よくある展開です。
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『よくある展開』
飲み会の翌日、目覚めたらベッドに見覚えのある男が…なんていうのは最近同僚がハマってる小説にはよくある展開らしい。
だが、まさか自分がそんなことになろうとは。
ひとつ同僚好みと違うのは、件の男が、通常あり得ない顔色で目を見開いたままぴくりとも動かないところ。
いや、これもよくある展開か。 ジャンル違いだが。
目の前の冷たい頬に触れると、会社の行き帰り、毎日挨拶を交わした笑顔が蘇る。
「どうしよう」
またやってしまった。
涙を飲んで、行こう。
このまま置いておくわけにはいかない。
あの人はきっと笑って許してくれる。
しょうがないねって。
いつもの薬局の前で 「おかえり、コロちゃん」 って言いながら、私に笑いかけてくれるんだ。
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<解説>コロちゃん
(コーワサイトよりお借りしました)
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よくある展開でした。最後まで。
久々に開始前に完成した気がします。
そして久々に自分が満足出来るものが出来た気が。
それでいいのか自分。
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Twitter300字SS お題「地」
ジャンル : オリジナル。金銭トラブル(?)
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『地獄の沙汰も』
窓際にスーツ姿の老人が三人。
こちら側のパイプ椅子にも俺を含めて三人。
自己紹介をした逆側の男が詰問されている。
圧迫面接。二人目も。これが自分の身にも思うと地獄だった。
「では3番目の」
そこでノックの音。
入ってきた男が老人たちに耳打ちすると、何故か俺だけ追い出された。
「よかった、間に合って。帰りましょう」
部屋の外に出ると見知らぬ女性が安堵の表情を浮かべていた。
「君は?」
「あなたのおかげで助かった猫です」
瞬間、蘇る。
無理をしてお宝を手に入れた買い物帰り、微かに聞こえた悲鳴。
見上げると同時に目の前が暗くなったその時のこと。
「案内人が謝ってました。財布の中身が6円だったのを間違えて川を渡らせてしまったと」
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このタイトル違うだろな感じですが、金次第で回避できたのは確かということでw
近代的な閻魔さんになりました。「株式会社地獄」的な。
というかオチがあさっての方向に行った気がする今日この頃です。
うーん、「地」って感じじゃないなぁ。
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Twitter300字SS お題「子」
ジャンル : オリジナル。れいぞうこTalkersとは違う家庭ということで。
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『メッセージ』
「なんじゃこれは」
冷蔵庫に貼り付けられたメモを見て老猫は言った。
「奥さんからバカ旦那へのメッセージだな」
「…これは…お前のことか?」
「いや違う」
考え込む猫に天井裏の鼠は言った。
「嵯峨天皇の話の真似事だろ。怒ってるんだよ、奥さん」
浮気旅行の行き先は京都。
大覚寺で仲良く撮った写真が間違いLINEで送られてきたとか。
あぁ、と猫が頷く。
「この嫌み、伝わるかな」
「無理じゃろ。伝わるくらい利口なら浮気なんぞせん」
「だろうな」
見上げた冷蔵庫には、A4の紙に長々と綴られた謝罪文。
言い訳臭いその内容に、二匹は呆れ顔を隠せない。
踏み付けるように置かれた磁石との間の紙には
子子
と大きく二文字だけが殴り書きされていた。
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暗号ものになってしまった。
解読は、私が想定しているものと同じになるでしょうかどうでしょうか。
奥さん超怒ってます。
※元ネタは「子子子子子子子子子子子子」です、念のため。
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