光塔館

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『光の戦い』


　私は光の戦士。

 

　山を越え、森を抜け、長い長い旅路の末、この辺境の地へと辿り着いた。

　世界の端っこと揶揄される、この険しい山の狭間に。

 

「この町にもやっと…！　お待ちしておりました…！」

 

　練習済みの笑顔を振りまいて手を振る。

　若い人々の目は希望に満ちていた。

 

――取り込むのは簡単だ。

　ここに住む彼らに、他の選択肢などないのだから。

 

　薄暗い土地でも、見上げた空は私たちの未来を写すように青かった。

 

　あとは楽な仕事だ。そう思っていたのに。

　視線を下げた瞬間、気づく。

 

　電柱のケーブルに黄色いマーキング。

 

　後ろで嫌な声がした。

 

「貴様は――フレッツ光！」

 

「なんで居るんだ、イオ光！」

 

　ポスティング用のチラシを携えて、光同士の戦いは続く。

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ファンタジーと見せかけた　光（回線業者）の戦い　ってことで。

色々あり得ない気もするのでやっぱりファンタジーということで。

そして、関西方面にしか意味が通じなさそうなので注釈。

イオ光（eo光）　→　関西電力系光回線事業者ケイオプティコムのサービス。西日本で12%のシェアを占める。光ケーブルのマーキングは黄色…らしい。

関東の人はauひかりに読み替えてくださいｗ　auひかりは西日本でもシェアそこそこ（9%）らしいんだけど、関西では独自回線持ってないっぽくてですね…

 

 

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私にとって、大変大変、色んなことがあった一年でした。仕事方面でも同人方面でも。仕事関係書くと愚痴にしかならないのでここでは割愛して。
今何を書こうかと記憶と記録（主に過去のツイート）を辿ってみて「え、あれも今年？　これも今年？」という状態です。


森村さんとか初めて名前を認識した状態でお会いしてからまだ一年経ってないんだぜ……嘘だろ？


はい、では早速。
SiestaWebとしてのサークル参加履歴は以下。

 

03/08　Text-Revolutions第1回　B-24（桂瀬単独）
03/15　CollageEventAde2（烏楽単独）
04/05　ComiCon京都Spring
04/19　本の杜7　川崎産業振興会館（委託）
05/17　関西コミティア46
07/26　第5回恵文社文芸部　恵文社一乗寺店 COTTAGE（烏楽単独）
09/20　第三回文学フリマ大阪
10/04　関西コミティア47
10/10　Text-Revolutions第2回
11/15　COMITIA114
12/06　CollageEventAde4（委託）
12/23　ComiCon京都Winter

 

委託や単独参加も含めますが計12回。これは過去最多です。内遠征が４回とこれももちろん最多。
これ以外に閲覧誌だけ出したものもありますね。ちょっと場違い感あったけどポエイチ。

 

アンソロジーなるものにも参加しました。

• テキレボ公式アンソロジー　「初めてのxx」
• テキレボ公式アンソロジー2　「再会」
• おなかがすいて眠れぬ夜に

自分とこ名義以外の本に名前が載るのは初めてで、嬉しいようなこそばゆいような気がしました。
世津路姐さん丁寧……手紙まで付いてるし！　参加させていただいてありがとうございました。
アンソロに関しては来年もテキレボ公式以外でひとつ参加予定。そのうち情報公開されると思うので、機会があればよろしくお願いします。

 

作った本は

• 城ノ内探偵事務所 よくある小説のように（無料配布120部完配済み）
• 城ノ内探偵事務所 -Secret-
• Letters -300字SS集-

よくあるに関しては何度か聞かれましたけど　いやぁ、阿呆な無配したよね！　って正直思ってます。
あれを無配にした理由は　テキレボで遠征するのに誰も何も見てくれなかったら耐えられん！　というのが大きいですが、　第1回だしちょっと記念的でもいいやん！広告費広告費！　と割り切ってやりました。あれで気に入ってくださった方もおられたし無駄ではなかった。比較的見てもらえるようになったのは、それより感想呟いてくださった方の力が大きいと思ってますが。

 

一枚物では

• 折本「とあるIT土方の憂鬱［お試し版］」
• 折本「Call Me！［お試し版］」
• 折本「偽巫女日記」
• 折本「傍らのしあわせ」
• 300字SSポストカード「彼女の復讐」

初めての折本配信。行間とか調整したかったのでWordで無理矢理作りました。デザインセンスなどかけらもないので余計なことせずシンプルに大人しくデータ作成。
10枚くらい印刷してもらってたかな？
さらに、シンプル通り越してやる気なさそうに見えるこの折本で華やかな作品一杯（しかも相方が一際目立つアレだぜ？）の折本フェアにまで参加させていただきました。
いやもうホント一大決心で参加申し込みメール送った後結局怖じ気づいてキャンセルしようかと思ったよ……かやのさんに励ましてもらわなかったら下げてたかもだよ。
最終的には「よいこのとしょしつ」でシールやTwitterの感想までもらえたのでもう感激でございました。
七歩さんには関西コミティアでご挨拶できる機会にも恵まれて嬉しかったのですが、次お会いするときは伝えるべき感謝が何倍にもふくれあがってそうです。とりあえず小出しでありがとうございました。

 

300字企画については前に阿呆ほど書いたので少しだけ。
実を言うと、企画をいずれ誰かに譲り渡すという可能性は考えていて、それも踏まえて整えてはいるのですけど（遠征である以上ずっと参加出来るかはわからないから。私来年職失うかもだし）、そもそもラリーを出来るくらいの参加者がずっと確保できるのかという問題もあるのですよね。元々利益が少ない企画だから、参加者の「楽しい・面白い」気分がなくなればこの企画は終わりになる。まぁ、参加者いないなら無理に続ける必要もないのだけど、せっかく誰でも参加できる間口の広い企画として作ったものだからどうにか続けたいって思いはある。初参加さんとかに「内輪」と言わせたくないなーって思いがちょっとあってなｗ
ということで、みなさん参加してください。是非！（突然の営業）

 

あと、今年はサンクスカードの新調とSiestaWebオリジナルのポリ袋を作りました。ポリ袋はずっと作りたかったものなので私は非常に満足です。
とかげまん柄かーわーいーいー！

 

自分の本の売り上げに関しては、去年に引き続き城ノ内独壇場ではありますが、随分と見てもらえるようになったなぁという感じです。
城ノ内探偵事務所（１巻）は発行から１年半で初版完配という私的には驚異な数字をたたき出しました。まぁ、見本誌とかでの寄贈分も多いんですけども。ホント、皆様のおかげでございます。

そして、テキレボ2後にはストリエ賞なんかもいただいてしまいました。
正直、テキレボコラボからの温情賞だと思ってます。……だって造りが適当すぎてテキレボでストリエさんに「すみません、あんなので」しか言えなかった代物ですもの！（汗
そ れでもコラボで挑戦する機会を与えてもらったと思ってますし、　「やってみたい気はするが何を出せば……？」　と思ってた私に　「CallMeとか」　とアドバイ スくださった森村さんにも感謝し足りない。
もちろん祝ってくださった皆様にも、改めてありがとうございました！　もらったお小遣いは次の300字企画に使うよ！

 

来年については300字ポスカもあることだし委託参加を少し増やしたいなと。
直参ではテキレボ・関西ティアは参加します。５月の東京ティアも出ます。そうさく畑は……抽選とかなりそうでドキドキですがとりあえず出ます。あと、来年か再来年あたりにAdeに直参したいなぁと思ってます。
大阪文フリも多分参加しますが、それ以外の文フリは見送り。というか、今後出る可能性が非常に低くなるかも。静岡や尼崎のイベントを見送るのと同じ。
一時的なものかもしれないですが、なんとなく、自分が「文学」を冠するイベントに出ることに違和感を覚え始めているというか。別に疎外感があるわけではないのですが。なんかこう……私ここに居ていいのかな……的な。
（今のところ売り上げがそこそこあるから「大阪も出ない」とは言えない現金さですよ……）

 

だから、ホームグラウンドというには遠いのですが、今後自分のフィールドはテキレボになるのかなーという感じです（あ、関西ティアもその他も出るのは出ますよ。自分の中の感覚的なものが「相方がメイン」なだけです）。
どのみち来年は新しいのほとんど書かないだろうし、無理をしない程度に（主に眼精疲労予防的な意味で）もう少し読む側の人になれたらな、と思います。

 

今年は企画や仕事、あと出版社さんからの話等々で悩んだことも多い年でした。
色々見つめ直さないといけないなぁと思った次第。……いや、多分見つめ直しても好きにするけど。

相変わらずのぐっだぐだな文章で失礼。
今年は本当に色々な方にお世話になりました。お顔と名前が一致した方も多く、楽しい年でした。
来年もどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

（ってか、去年も言った気がするけど総括かこれ？）

 

2015.12.31　桂瀬

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『彼に乾杯』


「お疲れ」

「んー」


　手元の紙束を確認しながら返事をする。


「まだ終わらないの？」

「もうちょっとかな。そっちは？」

「俺も」

「そ」

「毎年毎年疲れるねぇ。今日何の日だっけ？」

「大正天皇の崩御日。あとリヴァイ兵長の誕生日だっけ？」


　それは、去年彼自身が言った台詞だった。


「はは、よく覚えてんなぁ」


　苦笑する彼の声。

　顔を上げ、無言で促して彼の手のひらに自分の手をぶつける。


「兵長に乾杯でもいいけどさ、とっとと仕事終わらせて、今年はもうちょっといいもの食べに行こうよ」


　去年の同じ日、深夜に食べたまずいラーメンの味は忘れない。


「おうよ」


　笑う彼に、白と緋色の戦闘服を引き締める。

　今年最後の、そして来年最初の戦いまであと六日。

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あまりにも思いつかないので去年のやつを続けてみた。巫女と神主カップル再びです。
オチが……オチがないぜ……orz

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『タイムカプセル』



　タイムカプセルの中には、ふたつの封筒。

　片方を開けると、出てきたのは写真と一枚の紙片だった。



　昔一緒に遊んだ裏山の秘密基地。

「おまえ、こんな顔だっけ？」


　相棒がいなくなって二十年。

　これを埋めてしばらくした頃、事故で。

　アルバムも開くことなく、顔を見るのは葬式でぼんやりと眺めた遺影以来だ。



「薄情ね。忘れないでよ」

　拗ねたような声と、ふわりと首に絡む感触。

 

「仕方ないだろ、見えないんだから」

「むー」

　紙片の文字にあの頃の淡い想いが蘇る。



『ずっと　ともだちでいようね』



　それはまるで俺の書いた言葉への返答のようで。


「淳ちゃんのも見せてよ」

「嫌だ」


　無邪気な笑顔をポケットに押し込んで。

　悔しさまかせに、錆びた缶の蓋を閉めた。


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ギリギリ……！！
お盆と若干被ったような気がせんでもない（汗

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