「テキスト」カテゴリー
今まで書いたショートショート・小説等、文章置き場です。
拙すぎてカテゴリ名を「小説」とするのすらおこがましい気がしたので「テキスト」。
基本的にどんでん返しを目標に書いてたり、書いてなかったり。
高校時代とかに書いたものも結構あるので正直黒歴史ですが、面倒なので開き直って手直しもいいわけもなしです。
いくつかはイベントで無料配布した「夢見るものたち」に収録しています。
投稿が「夢見るものたち」より前の分に関してはほぼ全部学生時代に書いたもの。
ツッコミどころが満載なのは自分でわかってますので、そこは流していただけるとありがたい。
最近のもツッコミどころが多いのは大して変わりませんが、まぁ、まだマシかと。
伏線を意識し始めたのはCANDY ×GAMEシリーズの途中あたり(2005年)から。
そのへんから書くものがガラッと変わった気がします。
Twitter300字SS お題「余り」
ジャンル : オリジナル
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『モッくん』
人気のないバーの片隅。
「俺さ」
傍らの整った顔が、意を決したように口を開いた。
「昔モッくんて呼ばれてたんだよ」
「…うん?」
恋人を深刻そうに呼び出しといてなんの話?
「今の部署はその頃のこと誰も知らないんだけどさ」
無言で先を促す。
「来月昔の同僚が異動してくるから…先に言っとかないとって」
「よくわかんないけど昔なんかあったの?」
「彩ちゃんExcel得意じゃん?」
支離滅裂な質問返しをしながらスマホを差し出す彼。
その画面には
「飲み会とかね…余りもの全部俺が食ってたんだ」
凄まじくふくよかな彼らしき人が。
あぁ…MODくん…
元デブカミングアウトに私は真顔で居住まいを正した。
「そんなことよりダイエット方法詳しく」
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ギリギリ間に合った…!!
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Twitter300字SS お題「包む」
ジャンル : オリジナル
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『For you』
「何コレ?」
約束のカフェに現れた恋人は笑顔でテーブルにキャベツ大の何かを置いた。
茶色と橙の間くらいの風呂敷包み。
「開けていい?」
「ん」
結び目を解くと、生成りの風呂敷。
「……」
予想を裏切らずその下にもさらに重なった布を無言で剥がしていく。
風呂敷はハンカチになり、色はどんどん白くなる。
付き合って八年。未だによくわからん奴。
ハンカチがティッシュになり汚らしく思えてきた頃、
出てきたそれは──小さく折られた一万円札?
「誕生日オメデトウ。玉ねぎ食いたくなったろ? それで焼肉行こう」
そそくさと出口に向かう耳が赤い。
包みきれなかった照れ顔を想像して、私は笑う。
「して彼氏殿。諭吉の中身は薬指にしたらいいのかね?」
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玉ねぎ風、もしくは全部緑にしてキャベツ風はいつか誰かにやってみたい包装方法である。
話は甘い系に逃げた感ある。
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Twitter300字SS お題「祝う」
ジャンル : オリジナル
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『言祝ぎ』
目深にかぶった綿帽子の向こう、親族が口にするのは一様に今宵の婚儀を祝う言葉だった。
半月前、門前に突き立てられた白羽の矢。
私が、山神の嫁に選ばれた印。
ついに。
喜ぶ皆を前に漏れそうになる暗い笑みを覆い隠す。
姉は帰ってこなかったのに。
獣の毛と赤く染まった白無垢を残して。
生贄の代わりに親族は富を得る。
欺瞞に満ちた祝宴を背に山へ入る私を、幼い妹が呼び止めた。
泣きながら駆け寄る彼女へ
「元気で」
別れの言葉は私から。
「行きなさい」
今夜、最後の未練──妹はこの地を離れる。
準備は整った。
祝え。
姉が殺されて十年。
この時をずっと待っていた。
白無垢に隠した弓。
番えるのは髪から引き抜いた簪。
まずは一匹。
さぁ、そのあとは。
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なんか変な方向行ってやたら黒くなったけど書けたからよしとする!
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Twitter300字SS お題「あう」
ジャンル : オリジナル
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『Hunter』
夕刻の大通り。
3Dホログラムの広告キャラクター横を足早に通り過ぎる人々。
その中に。
細身の体型に童顔、薄い青色の制服を着た女子高生。
手には少しの野菜が入ったレジ袋。
「ん、」
決めた。
グラスを置いて立ち上がる。
「待って」
振り向いた彼女に
「落としたよ」
差し出したのは僕のハンカチ。
彼女が首を傾げようとした一瞬。
「…ありがとう」
侵入、成功。
ハンカチを受け取る彼女に笑顔で応え、ごく自然に手を繋ぐ。
「帰ろ」
利便性を追求した結果、誰もが脳をネットに接続したこの世界。
方法を知ってさえいれば、『家族』になんていくらでもめぐり合える。
今日の宿も無事確保出来そうだ。
送り込んだ記憶改竄プログラムの効果に、家出少年は笑う。
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『Target』
晩御飯の材料を買って帰路につく私を呼び止めたその少年は、細い腕をしていた。
利便性を追求した結果、誰もが脳をネットに接続したこの世界。
ここではちょっとした隙に他者に侵入出来るやつが極々わずかに存在する。
めぐり合ったが運の尽きというやつで。
落とし物だと差し出されたハンカチと
強制的に流し込まれた小さなプログラム。
頭の中で、何かが弾ける。
「…ありがとう」
不正プログラムブロック成功。解析。そして、──相手に侵入を。
「帰ろ」
記憶を改竄されたふりをして、繋がれた手に微笑みながら私は、
「そうだね『祐くん』」
私が知るはずのない名を呼び、躾のなってない糞ガキ、
もとい、奇跡的にめぐり合った同類を、我が家に誘拐した。
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書けなくて書けなくて二ヶ月参加出来なかったのでとにかく!って思って頑張ってみたんですが……なんか、なんやこれ? という感じに(´・ω・`)
てかこれ おねショタ?
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Twitter300字SS お題「咲く」
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『咲かない』
「枯れ木に花を咲かせましょう」
老人は朗々とその声を響かせた。
手にしたカゴの中身を振りまくと、みるみるうちに花が咲く。
なんていうことはあるはずもなく。
目の前にはバサリバサリと出所不明の灰をまきちらす親父がいるだけだった。
「咲かないなぁ」
愛犬を亡くしたショックか。
俺だっておかしくなりそうだったけど、まさか親父がこんな風になるなんて。
「当たり前だろ。しっかりしてくれよ」
涙を堪えながら縁側で絞り出した声が老人に届くことはなく、代わりに障子から顔を出した息子が背中を撫でていった。
「母さん」
愛犬が死んだ時と同じ桜舞う春の日。
縁側の父に聞こえないよう息子は耳打ちする。
「父さん、また祖父ちゃん見えてるみたい」
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ダメだ!! 全然まとまらん!! 眠い!!(酷すぎるコメント
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